副業なんて頭にまったくなかった 1

生きかた

2011年のまだまだ寒い春。私は機械設計のCADオペレーターとして働いていました。

描いていた図は、自家用車の内装部品が主だったものでした。一般事務よりはそこそこ時給も良くて、仕事の内容もそれなりに満足していた。両親も元気で、独身の私にはこれ以上ない自由な生活をしていました。

しかし、3月11日、先の東日本大地震が発生。自宅は、震源からはかなり離れた地域であるものの、住んでいる建物は5階であるせいか、体感で震度5以上あるのではないかという揺れでした。

電気の供給量を一時的に抑えられたり、テレビ番組は大幅に内容が変わったりした矢先。

母が脳卒中で倒れました。地震があった後、生活が一変したストレスもあったのでしょう。確かに体調はあまり良くなさそうでした。

それから、生活はがらっと代わり、母に任せていた家事は父親と分担しながらの通勤が始まりました。こんなに早く母の介護が始まるとは。いつか来るとは思ってはいたけど、ずっと先のことだろうと思い、他人事。

夜遅くまでの作業に加えて、常に勉強していないと仕事の内容が理解出来ない仕事だったので、もう当然ながら続けられない。家族を中心にすることに考えを変え、全く違う分野で仕事をすることに決めました。

生きかた
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